コンビニからはじまる最後の恋
Story 5
翌週、再び部長たちを交えてのCMの制作会議。
プロジェクターで絵コンテを映し、結川さんが説明をする。
「今回の車種は過去に何度もモデルチェンジをしてきました。ですので初代から最新のフルモデルチェンジした車種までを、時間の流れに見立てて映像で見せていきます。イメージをお伝えするため、弊社で作成したデモ画像をご覧ください」
スクリーンに、広大な草原とまっすぐ伸びる1本道。
その道を、初代SUV車が走ってくる。
走りながら2代目、3代目をCGで車がバージョンアップしていき、ラストはフルモデルチェンジをした実車が走っていく。
各車の車内では、様々なカップルや家族が乗っている。
楽しそうな笑顔だったり、ケンカしたり。
泣きながら一人で運転する青年もいる。
最後はフルモデルチェンジをした実車が走っていき、ナレーションと共にフレーズが浮かぶ。
今までも、これからも。
ずっとそばで寄り添い続ける居場所。
新型SUV──
そのフレーズを聞いた瞬間、結川さんに告白された夜を思い出す。
──先輩の過去もこれからも、全部俺が寄り添っていきたい
「車はただの移動手段ではないと思っています。楽しさや喜びはもちろん、悔しさや悲しさも、車種が変わろうとフルモデルチェンジをしようと、車とともにあった想いは消えません。その想いに寄り添える車でありたい、そんな想いをこめました」
「いいねえ。この前のアイデアよりかなり良くなってるよ」
「この案で制作に入ってもらおうか」
「ありがとうございます! ここから更にブラッシュアップしていいCMを作ります」
「では制作スケジュールをつめていきましょう」
「はい。よろしくお願いします」
結川さんと目が合うと、はにかむように微笑む。
(結川さん……)
黒縁めがねの奥から覗く優しい瞳にみつめられて、なぜだか鼓動がトクトクと高鳴っていく。
プロジェクターで絵コンテを映し、結川さんが説明をする。
「今回の車種は過去に何度もモデルチェンジをしてきました。ですので初代から最新のフルモデルチェンジした車種までを、時間の流れに見立てて映像で見せていきます。イメージをお伝えするため、弊社で作成したデモ画像をご覧ください」
スクリーンに、広大な草原とまっすぐ伸びる1本道。
その道を、初代SUV車が走ってくる。
走りながら2代目、3代目をCGで車がバージョンアップしていき、ラストはフルモデルチェンジをした実車が走っていく。
各車の車内では、様々なカップルや家族が乗っている。
楽しそうな笑顔だったり、ケンカしたり。
泣きながら一人で運転する青年もいる。
最後はフルモデルチェンジをした実車が走っていき、ナレーションと共にフレーズが浮かぶ。
今までも、これからも。
ずっとそばで寄り添い続ける居場所。
新型SUV──
そのフレーズを聞いた瞬間、結川さんに告白された夜を思い出す。
──先輩の過去もこれからも、全部俺が寄り添っていきたい
「車はただの移動手段ではないと思っています。楽しさや喜びはもちろん、悔しさや悲しさも、車種が変わろうとフルモデルチェンジをしようと、車とともにあった想いは消えません。その想いに寄り添える車でありたい、そんな想いをこめました」
「いいねえ。この前のアイデアよりかなり良くなってるよ」
「この案で制作に入ってもらおうか」
「ありがとうございます! ここから更にブラッシュアップしていいCMを作ります」
「では制作スケジュールをつめていきましょう」
「はい。よろしくお願いします」
結川さんと目が合うと、はにかむように微笑む。
(結川さん……)
黒縁めがねの奥から覗く優しい瞳にみつめられて、なぜだか鼓動がトクトクと高鳴っていく。