コンビニからはじまる最後の恋
(いた!)
レジ袋をぶら下げて歩いていく後ろ姿にかけよる。
「すみません、待ってください!」
呼び止めるが、相手は聞こえないのかそのまま歩いていく。
私は早歩きで追い越し、振り向いた。
「うわっ!?」
驚いて立ち止まった男性が、イヤホンを片方だけ外して私を見る。
どうやら音楽を聴いていたため呼び止めた声に気付かなかったらしい。
「先ほどは本当にありがとうございました。これ代金です。むき出しで申し訳ありません」
「え、このためにわざわざ追いかけてくれたんですか?」
「次にいつ会えるかわからないですし、学生さんに払わせるわけにはいかないので」
「……」
私の言葉に、彼がムッとしたように口を引き結ぶ。
「あの?」
「いやなんでも。じゃ、遠慮なく」
「本当に、ありがとうございました」
代金を受け取る男性に改めてお礼を伝え、家路を急ぐ。
……が。
(あれ? さっきから同じ方向歩いてる?)
そう思った瞬間、彼がピタッと立ち止まり振り向いた。
街路灯の下、少し戸惑った表情の彼が口を開く。
「あの、ずっとついて来てますけど……」
「私も同じ方向なんです。偶然ですね」
「……」
(って、信じてないか。まあ、そうだよね。せっかく親切にしてくれたのに、これ以上怯えさせるわけにはいかないし)
「不安にさせてすみません。私、本当にこの先なんで。では、失礼します。肉まんとピザまん、おいしく食べてください!」
改めてお辞儀をして、私は自分のマンションまで走って帰った。
レジ袋をぶら下げて歩いていく後ろ姿にかけよる。
「すみません、待ってください!」
呼び止めるが、相手は聞こえないのかそのまま歩いていく。
私は早歩きで追い越し、振り向いた。
「うわっ!?」
驚いて立ち止まった男性が、イヤホンを片方だけ外して私を見る。
どうやら音楽を聴いていたため呼び止めた声に気付かなかったらしい。
「先ほどは本当にありがとうございました。これ代金です。むき出しで申し訳ありません」
「え、このためにわざわざ追いかけてくれたんですか?」
「次にいつ会えるかわからないですし、学生さんに払わせるわけにはいかないので」
「……」
私の言葉に、彼がムッとしたように口を引き結ぶ。
「あの?」
「いやなんでも。じゃ、遠慮なく」
「本当に、ありがとうございました」
代金を受け取る男性に改めてお礼を伝え、家路を急ぐ。
……が。
(あれ? さっきから同じ方向歩いてる?)
そう思った瞬間、彼がピタッと立ち止まり振り向いた。
街路灯の下、少し戸惑った表情の彼が口を開く。
「あの、ずっとついて来てますけど……」
「私も同じ方向なんです。偶然ですね」
「……」
(って、信じてないか。まあ、そうだよね。せっかく親切にしてくれたのに、これ以上怯えさせるわけにはいかないし)
「不安にさせてすみません。私、本当にこの先なんで。では、失礼します。肉まんとピザまん、おいしく食べてください!」
改めてお辞儀をして、私は自分のマンションまで走って帰った。