私は死亡者
私を見て、微笑む。

「来たね、“魂だけの美鈴”。」

私は震えた。

「あなたが……私を殺したの?」

“もう一人の私”は、優雅に首を傾けた。

「殺したんじゃない。
あなたは《戻した》のよ。
本来あるべき場所へ」

沙耶が叫ぶ。

「ふざけないで!
美鈴は生きてた! 息もあった!!」

「でも今は、“死”が似合うわよ?」

その声が、まるで私の声で私を嘲笑っていた。

そしてその瞬間、私は悟ってしまった。

——この存在は、私の死を“計画”していた。
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