私は死亡者

私は息を呑む。

「だから……私を追ってくる影から守るように、
あなたが私を殺した？」

偽りの私の表情が僅かに歪む。

「違う。
あなたは死んでいなければならなかった。
私が生きていくために」

「……遼を巻き込んでまで？」

偽りの私の瞳が揺れた。

「遼だけは……少し、予想外だったわ」

その一言に、遼が息を呑む。

「美鈴……お前……いや……“お前じゃない方”……
あの夜……俺の名前を呼んだだろ……？」