私は死亡者
「ならば《肉体》が必要だ。
しかしお前の肉体は——」

未鈴が割って入る。

「影の奥にあるんでしょう?
美鈴の“死体”。」

影の回収者は沈黙した。

答えは沈黙が物語っていた。

私は影の奥——あの深淵の穴を見る。

「じゃあ……取り戻す。
私の身体を」

遼が叫ぶ。

「美鈴!! そんな危険な——」
< 82 / 95 >

この作品をシェア

pagetop