私は死亡者
「あたりまえよ。
私は“選ばれなかった人生”の影。
あなたが人生を選び直したら……
私は必要なくなる」

「そんな……!
私はあなたを否定しない。
消えて欲しくない!!」

未鈴は優しく抱きしめてくれた。

「ありがとう、美鈴。
でも私は……あなたの選ばなかった未来。
あなたが前へ進むために、消えていいの」

「嫌だ……!
未鈴……!!」

未鈴は耳元で囁いた。
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