私は死亡者
「あなたはずっと、後悔してきたよね?
“こうしとけばよかった”
“もっとちゃんと生きればよかった”
その全部が私を生んだの。
だから、私を救う方法はひとつだけ」

「どんな……?」

未鈴は涙を流しながら笑った。

「あなたが後悔しないで生きること。
私の分まで」

私は嗚咽した。

未鈴は私の背中を押し、静かに言う。

「行きなよ、美鈴。
あなたの身体に」

私は手を伸ばす。

触れた瞬間——

光が爆ぜた。
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