初恋同盟〜イケメン過ぎる君からの不適切な溺愛〜
「失礼しまーす」



保健室に入ると、保健の先生はいない…



何だ…誰もいないのか…



私は少し保健室の椅子に座って休む事にした…



私が鼻血が治るまで休んでいると…



「失礼しまーす」



そう言って誰か男子が入ってくる…



鼻にティッシュを押さえた状況で男子とか恥ずかしい⁈



私は隠れたいような気持ちになった…



「先生いますか?」



入ってきた男子に私は更に驚いてしまった⁈



『あっ⁈』



2人の声がシンクロする…



「哲司…」



私はその名前を呼ぶのも恥ずかしいくらいポツリと名前を呼んだ…



「未知…」



哲司も少し気まずそうだ…



私は何を言おうか少し戸惑ってしまった…



少しの間私達の間に沈黙が生まれる…



その沈黙を打ち破るように哲司が口火を切った…



「顔面でボールを受け止めるとか、鈍臭い未知らしいね」



普通に哲司に話し掛けられて、私は少し驚いてしまった…



「う、うるさいな⁈そういう哲司は何でここに来たの?怪我か何か?」



私は言われた恥ずかしさを誤魔化すように言い返すように言ってみた…



「まあ、ちょっと手首捻ったから来ただけ…でも別にもう大丈夫みたいだからいいや」



哲司はそう言うとバツが悪そうに去ろうとする…



ちょっと待って



そう言って私は咄嗟に哲司を引き止めた



「手首捻ったなら湿布貼ろうか?バスケ部のエースなのに、怪我とか致命傷じゃん?」



かして…



私は哲司の手首を見ながら呼び止めた…



「鼻血出してる人に言われたくないし…別にこれくらい大丈夫だからいいよ…」



哲司は何となく照れているのか遠慮して断る…



「鼻血は止まったから大丈夫。ちょっとここ座って」



そう言って私は半ば強引に哲司を自分の座っていた椅子に座らせた…



昔から湿布を貼ったり、包帯を巻いたり、哲司とお医者さんごっこをしていたから慣れている



私は手慣れたように保健室にあった湿布と包帯を勝手に借りて哲司の左手首に湿布を貼って包帯を巻いた



「はい。できた」



そう言う私に、「どうも…」と言葉少なげに返す哲司…



「何か昔を思い出すね。よく2人でお医者さんごっことかしたよね?」



私は昔を思い出したように2人で良く遊んだ思い出を語ってしまった…
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