初恋同盟〜イケメン過ぎる君からの不適切な溺愛〜
何で急に⁈



私何かした⁈



哲司の事怒らせるようなことした⁈



嫌われるような事した⁈



思い返しても思い返しても、何も思いつかない



結局その日以来…



私達が仲良く話す事はなくなった…



次の日から、私と哲司は本当に一緒に登下校する事もなくなって、必要以上に言葉を交わす事もなくなった…



「最近哲司くんと一緒に学校行かなくなっちゃとけど、何か喧嘩でもしたの?」



そう言って両親にも心配された…



「分からない…何か急に一緒に行くの嫌だって言われた…」



そう言って落ち込む私を両親が慰めてくれた…



哲司のお母さんからは…



「ごめんね未知ちゃん。最近あの子思春期なのか難しいの…未知ちゃん女の子だし、心配だからちゃんと行き帰りあんたが守りなさいよって言ってあったんだけど…?」



おばさんにそう申し訳なさそうに謝られて、私はそっか。それでだったんだと少し納得してしまった…



哲司はおばさんに頼まれて嫌々私と一緒にいたんだ



哲司にとって私と登下校に一緒にいたのはただの義務で、特別な意味はない…



そう思うと少しショックだったけど、何となく腑に落ちないながらも、納得はできた気がした…



それから中3になって受験期を迎え、私は必死に勉強して、県内でも有数の進学校に入学した…



ある日突然哲司に突き放された焦燥感を、私は勉強する事で埋めるかのように、私は勉学に没頭した…



勉強していると哲司の事を考えないで済む



勉強していれば哲司への気持ちを忘れられる…



私は自分のぽっかり空いた穴を誤魔化すように、お隣に住んでいる哲司の事を見ないように、胸の奥に本当の気持ちをしまい込んで生活するようになった…





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