拝啓、愛しのパイロット様
5.エアメール
「ん?」
その日、仕事から帰宅した小町は、エントランスに設置されているポストから郵便物を取り出すなり、思わず首を傾げた。
シフト制で不規則な生活を送る由桔也に代わり、毎日ポストを確認するのは小町の役割だ。
大抵は取るに足らないダイレクトメールばかりだが、今日ばかりは様子が違った。
「エアメール?」
薄いブルーの封筒の宛名は、すべて英語で書かれており、見慣れない外国の切手と消印が押されている。
なんでもスマホでやり取りできる時代に、エアメールなんて珍しいと思っていたのも束の間。
「え!?私あて?」
宛先として自分の名前が書かれていることに気がつき、エントランスに素っ頓狂な声が響き渡る。
我に返った小町は慌てて口を押さえると、その他の郵便物も一緒に抱えてエレベーターに乗り込んだ。
外国住まいの友人もいないし、エアメールをもらう心当たりがまったくない。
それに、なぜ小町が由桔也のマンションに居候中だと知っているのだろう。
部屋に到着し、警戒心を抱きつつ差出人の名前を確認すると、もう一度叫び出しそうになる。