拝啓、愛しのパイロット様
「そうか。じゃあ、がんばらないとな」
「はい」
励ましに笑顔で答えると、由桔也はおもむろにジャケットを脱ぎシャツの腕をまくった。
「カフェオレでも淹れようか。好きだろ?」
「大丈夫ですよ!由桔也さん、長旅でお疲れでしょう?」
「いいから。俺も小町のためになにかしたいんだ」
「ありがとうございます」
キッチンに向かう由桔也にお礼を言うと、小町は手もとのノートに視線を移した。
これまでちまちまと書き留めてきた雑多なアイディアには、どれも大きなバツがついている。
(どれもいまいちなんだよね)
小町は由桔也に隠れて、ふうっとため息をついた。
こんなペンがほしい。かわいいポーチが使いたい。
色んな理想はあれど、いざ企画書にまとめようとしても上手くいかない。
(私が作りたいのは……)
いちごのペンケースを手に取ったときのワクワクとトキメキ感なのに、まだ輪郭がはっきり掴めない。
「はい、どうぞ」
数分後、カフェオレの入ったマグカップと一緒に、サンドウィッチがテーブルに置かれた。