拝啓、愛しのパイロット様

 無理矢理休日を返上させるのも、嫌がらせの一環なのだろう。日頃から大小さまざまな業務を押しつけていても堪える様子がないのが、よほど癇に障っているみたいだ。

「わかりました。行きます」

 小町が淡々と答えると、神城は途端に興味を失ったのか、ふいっと顔を背けた。

「わかったらこの話は終わりだ」

 あっちに行けと露骨に追い払われ、ほっと息をつく。

 神城の意に沿って、もっと行きたくなさそうな顔をした方がよかったのかもしれない。

(まずは飛行機のチケットがとれるか確認しなきゃ)

 小町はデスクに戻ると、パソコンに向かい、航空会社の予約ページを開いた。

 ざっと確認したが、早朝、それも土曜ということもあり、ちょうどいい時間帯はどこも空いていない。

 予約できるか四苦八苦すること、十五分。

 いくつかの航空会社を巡り、ようやくチケットの手配が完了する。

【ブルーセントラルジェット、AM6:50発、新千歳行き】

 小町が予約したのは偶然にも、由桔也が勤務するBCJの便だった。
< 141 / 149 >

この作品をシェア

pagetop