拝啓、愛しのパイロット様
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(なんだか緊張してきた)
札幌出張当日。手荷物検査を済ませた小町は、搭乗口の近くにあるソファからターミナルの外の様子をじっと眺めていた。
遠くから飛行機が着陸したかと思うと、今度は別の機体が空の彼方へ飛んでいく。
ターミナルに世界中の航空会社の飛行機が並ぶさまは壮観で、子どもが嬉しそうに指を指している。
由桔也にとっては見慣れた景色でも、どれも小町には新鮮だ。
東京国際空港――通称羽田空港。
日本の玄関口でもあるこの場所は毎日何百機もの飛行機が離発着を行っている。
小町が朝起きたときには、既に由桔也は出かけたあとだった。
パイロットは離陸の数時間前からクルーと打ち合わせをしたり、機材の確認を行ったりするので当然だ。
急な出張だったので、彼は小町が搭乗する予定だと知らない。なんなら、あえて知らせなかった。
(たまにはいいよね。こういうのも)
普段、どんな風にパイロットとしての職務を全うしているのか、仕事中の様子を生で知ることができる絶好の機会だ。
小町は由桔也が家では見せない一面を探るつもりだった。