拝啓、愛しのパイロット様
(羨ましい)
自分の仕事が評価され、生き生きとしている姿は自分とは真逆だ。
「どうしたら実登里先生みたいに生きられるんでしょうか。私なんて、最近うまくいかないことだらけで……」
気がついたときには、情けない愚痴をこぼしていた。
仕事も恋も行き詰まっていて、八方塞がり。
そんな現状をやるせなく思っていたら、実登里はなにかを思い出したようにふっと目を細めた。
「これでも昔は色々と悩んだのよ。育児との両立も大変だったし、批評家から心ない言葉ももらったし。でもね、やっぱり好きだから続けられた」
実登里は小町の愚痴を馬鹿にすることなく、真正面から受け止めてくれた。
「小町さんもそうなんじゃないの?打ち込めるほど好きなものがあるって素晴らしいことよ」
実登里は年長者らしいアドバイスを贈り、小町を励ますように背中をポンポンと叩いた。
「大丈夫よ。小町さんなら、きっと乗り越えられるわ。あなたの書く字はいつも誠実で真っ直ぐなんだから」
「ありがとうございます」
大丈夫だと太鼓判を押された小町は、小さく会釈をした。
実登里の言葉で少しだけ気持ちが軽くなった気がした。