拝啓、愛しのパイロット様

「え?もしかして、由桔也ってパリから戻ってくる予定だったの?」

 実登里が青ざめながら頷くと、栞奈の顔色がさっと変わる。彼女もなにが起こったのか、理解したのだ。

「ちょっと待って!まだ由桔也が事故に巻き込まれたとは限らないじゃない!ね?とにかく、連絡してみましょう!」

 栞奈の提案を受け、試しに電話してみたものの、やはり繋がらず、スマホからは無機質な呼び出し音が鳴るばかりだった。

 ニュースサイトで事故について調べても、小町たちが知りたい情報はなにひとつとして見つからない。

 事故を起こした飛行機を操縦していたパイロットが誰なのか。その安否はまだ発表されていない。

 事故現場の悲惨さを伝える写真ばかりがどこからともなく流れてきて、気が滅入りそうになる。

 事故の知らせを聞いてから十分後。ギャラリーの雰囲気はどんよりと暗くなり、すっかりお通夜ムードになった。

(事故に遭ったのが由桔也さんだったら……)

 嫌な予感が頭をよぎり、なんだか泣きそうだ。
 事故原因の憶測が飛び交い、目まぐるしく状況が変わっていく。
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