拝啓、愛しのパイロット様
「由桔也さんっ!」
小町はまだ状況が把握できていない由桔也に思い切り抱きついた。
人目を憚らない大胆な行動に、由桔也が身体をこわばらせているのがわかったが、今は説明している心の余裕がない。
「心配したんですから!」
小町が涙声で訴えると、由桔也はようやくすべてを悟ったようだ。
「ひょっとして、俺が事故に遭ったと思ったのか?」
「だって!なんの連絡もこないし!スマホも繋がらなくて……」
本気で心配していたのにからかい混じりに尋ねられて、小町は顔をあけ、ムキになって言い返した。
「悪かったよ。事故の影響で、ずっと空港の上空で待機していたんだ。ダイバートは避けられたんだけど、色々と立て込んでて。さっきようやく解放されたところなんだ」
由桔也は小町を宥めるように、ポンポンと優しく背中を叩いた。
ほんの数日会えなかっただけなのに、愛おしくてたまらなくなる。
「由桔也さんが好きです」
溢れた想いそのままに伝えると、由桔也は驚いたように目を大きく見開いた。
けれど、次の瞬間、ふっと目を細め真っ直ぐ小町を見つめ返してくれた。
「俺も小町が好きだよ」
嘘偽りのない言葉は今度こそ小町の心に届いた。