拝啓、愛しのパイロット様

「さて。忙しい中、わざわざ足を運んでもらったんだ。早速、本題に入ろう」

 神城社長はそう言うと、小町と向き合うようにソファに座った。

 入社式や全社会議で姿を見ることはあったが、こうして面と向かって話すのは初めてだ。

「コンペの審査で君の企画書、読ませてもらったよ。とてもよかった。いちごのペンケースに対する熱意が伝わってきた。読んでいてとてもワクワクしたよ」
「ありがとうございます」

 尊敬する神城社長に褒められたのがうれしくて、頬が熱くなってくる。
 小町が提案したのは、いちごのペンケースの大々的なリニューアルと他社とのコラボだ。

 ただリニューアルするのではなく、同じ柄でポーチを作ったり、シュシュやヘアアクセ、絆創膏なども展開して、かつていちごのペンケースを愛用していたユーザーの購買意欲を刺激しようという試みだ。

「それでだ。君をスターライト文具創業五十周年の特別企画のプロジェクトチームにスカウトしたい」
「私ですか!?」
「ああ」

 驚きで目を何度も瞬かせていると、神城社長は満面の笑みで頷いてくれた。

「でも、私の企画書は落選したんじゃ……」
「君のアイディアは素晴らしかったんだが、特別企画が先に進んでいてね。内容が重複する部分も多くて、どうしても採用できなかったんだ」

 コンペで落とされた理由を説明され、胸のつかえがとれていった。
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