拝啓、愛しのパイロット様

「うわあ!これかわいい!」

 行きつけの文房具店を訪れた小町の目の前には、新作の文房具がこれでもかと並べられている。

 プロジェクトチームにいる間も文房具店巡りはしていたものの、頭の中は自社の製品とライバル会社の製品を比較してばかりだった。

 純粋に一顧客として文房具探しを楽しめるようになったのは久しぶりだ。

 開発部への異動も決まり、これからはバンバン企画書を作らねばならない。

(よしっ!)

 小町はこれでもかとばかりに目についた商品を手当たりしだいカゴの中に入れていった。

 ひと通りフロアを巡回し新作のパトロールが終わったところで、ようやく興奮がおさまってくる。

(おっと、そろそろ行かなきゃ)

 冷静さを取り戻すと、忘れてはいけないこのあとの予定を思い出す。

 文房具店巡りを満喫していた小町だったが、時間を確認するやいなや、レジに駆け込み会計を済ませると。駅へと急いだ。

 電車に乗って向かうのは彼が働くあの場所だ。

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