拝啓、愛しのパイロット様
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「小町さん、今日はなんだかいつもと印象が違いますね?」
由桔也との約束の日。
目ざとい乾から違和感を指摘された小町は、思わずドキリと肩を揺らした。
「あ、えーっと。今日は仕事帰りに人と会う約束をしているの」
いつもは典型的なビジネスカジュアルスタイルで、タック付きのボトムスに無地のTシャツにジャケットを羽織っていることが多い。
ところが、今日はオフホワイトのタイトスカートと、胸元にフリルがついたブラウスを着ている。
いつもの服装とは系統が異なる、ほんのすこし華やかな装いだ。
「もしかして、彼氏でもできたんですか?」
乾は身の内から溢れ出る好奇心を隠そうともせず、興味津々で尋ねた。
「ちっ違うよ!」
小町は即座に否定した。間違っても由桔也は彼氏ではない。