拝啓、愛しのパイロット様

 ◇
 
「小町さん、今日はなんだかいつもと印象が違いますね?」

 由桔也との約束の日。
 目ざとい乾から違和感を指摘された小町は、思わずドキリと肩を揺らした。

「あ、えーっと。今日は仕事帰りに人と会う約束をしているの」

 いつもは典型的なビジネスカジュアルスタイルで、タック付きのボトムスに無地のTシャツにジャケットを羽織っていることが多い。
 ところが、今日はオフホワイトのタイトスカートと、胸元にフリルがついたブラウスを着ている。
 いつもの服装とは系統が異なる、ほんのすこし華やかな装いだ。

「もしかして、彼氏でもできたんですか?」

 乾は身の内から溢れ出る好奇心を隠そうともせず、興味津々で尋ねた。

「ちっ違うよ!」

 小町は即座に否定した。間違っても由桔也は彼氏ではない。
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