拝啓、愛しのパイロット様

「いただきます」
「いただきます」

 手を合わせ挨拶をしてから、お椀を持ち、みそ汁をすする。どこかホッとする優しい味だった。

「美味しいです」
「よかった」

 美味しい朝食を食べながら、小町はそれとわからぬよう由桔也の様子をチラッと窺った。

(昨日はいつ帰ってきたんだろう)

 ぐっすり寝入っていた小町は彼が帰ってきたことにまったく気がつかなかった。
 昨日は十一時過ぎに布団に潜り込んだので、由桔也が帰宅したのはおそらく零時を回った深夜だろう。
 にもかかわらず、由桔也は涼しい顔で小町を待ち受け、朝食を拵えていた。
 仕事柄健康には気を使っていると言っていたけれど、体力も有り余っているということだろうか。

「今日はお休みなんですか?」

 思い切って尋ねると、由桔也は卵焼きに箸を伸ばしながら首を振った。

「いいや。今日も午後からフライトだ。帰りは遅くなる」
「いつもこんなに不規則なんですか?シフト制って聞いてますけど」
「俺が担当している機種は、国際線、国内線どちらにも使われているからな。今月は国内線が多いから、日帰り勤務ばかりだけど」
「へえ」

 小町は感心しながら相槌を打った。
 機種によってスケジュールの組み方が変わるなんて初めて聞いた。
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