拝啓、愛しのパイロット様
「申し訳ありませんでした。来月は達成できるように全力を尽くします」
非を認めて謝ると、神城は勝ち誇ったようにふんと鼻を鳴らした。
「罰として倉庫の整理でもしとけ!あとでチェックするからな!」
言いたいことをすべて言い終えると、今度は用済みとばかりにデスクから追い払われる。
たっぷり十分ほど怒鳴りつけられた末に、ようやく解放されて、小町はホッと息をついた。
「あの……大丈夫ですか?小町さん」
「うん。平気だよ」
デスクに戻ると同時に、乾から心配そうに声をかけられる。
いつも明るく元気な彼女も今日ばかりは眉毛がハの字に垂れ下がり力がない。
小町と神城のやりとりを、ハラハラしながら見守っていたに違いない。
「最近の神城部長、どうしちゃったんですかね?あんな風に怒る人じゃなかったのに……」
乾もまた神城の態度に違和感を覚え始めているらしい。
由桔也が婚約者だと名乗ってから一週間が経ち、神城の小町に対する対応は百八十度変わった。
それまでやたらと親し気に話しかけてきた態度が一転して、辛辣なものになり、叱責する理由を見つけては、怒鳴り散らすようになった。