あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。
あまりの衝撃事実に、私は持っていたフォークを危うくお皿に落としそうになった。
「以前、食事のあとに僕と和泉さんが偶然にも出会い頭で鉢合わせになったことは覚えていますか?」
「あ、もしかして居酒屋のんべぇのときの!?」
「そうです。お互いにお連れしている方がいましたが、僕の隣にいた女性がお見合い相手の一人でした」
「えぇ!?そ、そうだったんですか!」
未だに聞けずにいた、あのときの女性がお見合い相手だったなんて。
「あの、僕からも一つだけ聞いてもいいですか?」
「うん?いいですよ!」
まっすぐに見つめてくる彼の瞳に、なぜだか少しだけ緊張が走る。
北ヶ瀬さんはテーブルの上で小さく指を組み直すと、探るような、それでいてどこか切実な声で尋ねてきた。
「あのとき、和泉さんの隣にいた男性とは……どのような関係ですか?」
「えっ」
予想外の質問に、私は目を丸くした。
もしかして、あのときからずっと北ヶ瀬さんも白石のことが気になっていたのだろうか。
そう思うと、少しだけ胸が高鳴った。