あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。





 「さては男と会う日だな?」

 「詮索しないでいただけます?セクハラになるよ?」

 「いやでもお前、確か彼氏いたよな?毎週金曜日に飯行く彼氏」

 「私の忠告聞いてる?」

 「今日まだ水曜だけど?」

 「……」

 「別れたんだろ」

 「何も答えないよ、私は」

 「それで今日は新しい男と会う日ってわけか」

 「白石仕事して!無駄口厳禁!」

 キッと睨みながら強制的にこの話題を終わらせようとすると、白石は「高野って本当分かりやすいのな」と鼻で笑いながら自分のデスクから荷物を取って去って行く。

 白石がフロアから出て行く様子を目で追って、完全に姿を消したことを確認した瞬間ドッと変な汗が流れてきた。




 「(髪型とかコンタクトに変えただけでここまで完璧な推測できる人いる!?)」

 しかも辻村くんと別れたことだけでは事足らず、今日会うことになっている人のことまで言い当てるなんて全く末恐ろしい男だ。



 「……」

 マッチングアプリで一人だけマッチした男性。

 名前は北ヶ瀬夏樹さん。

 最初にメッセージをもらったとき、焦りと若干の恐怖心から無視してしまおうと思っていた。

 けれど里英に相談すると『今すぐ返信して会う約束まで取り付けなさい!』と何度もしつこく怒鳴りつけてくるものだから、私は仕方なく彼にメッセージを返した。




 『初めまして、いずみです。

 メッセージありがとうございます。

 お会いする前にいくつかお伺いしたい事がございます。

 まずはこちらが提示する質問事項にお答えいだたいてもよろしいでしょうか。』





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