あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。
考えれば考えるだけ思いついた質問事項は五〇を超える数になってしまったけれど、流石にやりすぎだと思って一〇個に絞った。
それでも里英には「頭おかしいの、アンタ?」と呆れ顔のメッセージスタンプをお見舞いされてしまったけれど。
けれど、北ヶ瀬さんはそんな質問に丁寧に答えてくれた。
それが私の頑丈で頑固な警戒心を一つだけ解いたきっかけにもなった。
『どのあたりにお住まいですか?』
『〇〇駅の近くです』
『お仕事は何系の職業をされていらっしゃるのですか?』
『呉服店の経営マネージメントなどをしています』
『ご年齢は?』
『三二歳です』
『私のプロフィール欄はきちんと読んでいただけましたか?』
『はい、もちろんです。恋人ではなく、お友達募集中!……でしたね』
『体の関係は一切ナシ、という部分も?』
『えぇ、拝見しました。心得ております』
そのほかにもいろんな質問を繰り返したけれど、すべてにきちんと答えてくれた北ヶ瀬さんだったから、『一回会ってみてもいいかも』と思えるまでに至った。
『よっぽどフィーリングが合わない人以外は一回は会ってみるべき!会わなきゃ分からないことだらけだから!』と何度も念を押すように言ってきた里英の教えも効果があったかもしれない。