あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。
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「荷物はこれで全部?」
「うん!もうあとは処分しちゃっていいものばかり、かな」
出発の準備に追われる私の部屋には、いくつもの段ボールが積み上げられていた。
ガムテープを貼る私の左手の薬指には、キラキラと光るプラチナの指輪が収まっている。
私が『一緒にいく』と宣言したあの日、夏樹さんがホテルのサロンで渡してくれたものだ。
どうやら彼は、ネイビー色のドレスと一緒に婚約指輪も準備していたそうだ。
「……綺麗だなぁ」
まさか自分の左手の薬指に、婚約指輪を嵌める日が来るなんて思ってもいなかった。
どうやら服のサイズと一緒に、由希子から指輪のサイズも聞いていたらしい。もっとも、夏樹さんはドレスだけ準備する予定だったのだけれど、お節介な由希子から猛烈に指輪も買っておくようにと背中を押されまくったらしい。
「(だからあんなに私の気持ちを引き出そうとしてたんだね……由希子ってば)」
だけど、これまでいろんな人が私の背中を押してくれたから、今、こうして海外へ飛ぶための準備をしている私がいる。
私はつくづく周りに恵まれている。