あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。





 私が聞きたいと思っていたことを察したのか、今日一番の核心を一気に説明してくれた北ヶ瀬さん。

 北ヶ瀬さん自身も友達を探していて、そしてお兄さんの結婚式に一緒に出席してくれる女性を探していた……と。


 それが彼がマッチングアプリを始めたきっかけと、私に声をかけてきた理由。



 「だから、もしよければ僕を和泉さんのお友達として受け入れてはいただけませんか?」

 ──悪くない。

 むしろ私は北ヶ瀬さんを今日一日でかなり気に入ってしまった。

 彼の穏やかで聞いていて落ち着く声色に、口角を上げて微笑む表情、至る所作で滲み出ている大人の余裕感も。

 そして、その爽やかな見た目まで。




 「はい、こんな私でよければ……ぜひ」

 「よかった。じゃあ今日から改めて、お友達としてよろしくお願いしますね。和泉さん」

 「こちらこそよろしくお願いします、北ヶ瀬さん!」


 ──なんだろう、この気持ち。

 私、今すごく楽しくて、ワクワクしている。



 恋人としてちゃんとしなきゃって気負うこともない。

 隣にいて恥ずかしくないようにしなくちゃっていうプレッシャーもない。


 だって私達は友達だ。




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