あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。
◆第3話:「深夜の涙と味噌バターコーンらーめん」
◆◇◆◇
「私、本当に来てよかったかな」
「大丈夫だってば。別に喧嘩別れでもなければ浮気したわけでもないんだから。もしバッタリ会っても堂々としてればいいの」
「そ、そうかもしれないけどさぁ」
五年ぶりとなる高校の同窓会。
辻村くんと遭遇して気まずい雰囲気になることを避けるために、今回私は行かないでおこうと思ったのだけれど、里英の旦那さんが急遽仕事が休みになって咲良ちゃんの面倒を見てくれることになったため、半強制的に参加させられることになった。
普段はなかなかお洒落をして一人で出かけることができないママ業の里英は、いつもより少しだけテンションが高い。
大きなレストランを貸し切って立食パーティーのようになっている会場へ着くと、里英は一番にお酒に向かって走って行った。
そんな彼女とは正反対に、私はひたすらキョロキョロと辺りを見渡しては辻村くんが来ていないかを確認してしまう。
里英の言うとおり、もうお別れして一ヶ月が来ようとしているし、そこまで気にしなくてもいいことなのかもしれない。
それでもなおこうして彼を意識してしまうのは、私に非があると自覚しているからだ。
辻村くんには本当に申し訳ないことをしたと思っている。
『別れよっか』と告げられたあと、私達は何度も話合って、そして私は何度も謝った。「私の気持ちがついていかず、期待に添えられなくてごめんなさい」と。
辻村くんは私が謝るたびに、「もういいよ」「もう分かったから」を繰り返した。