あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。





 由希子が勢いよく三分で話した内容に、追いついていけない。

 いつもは冷静な里英も、今日ばかりはお手上げな様子で「ごめん、解説お願い」と由希子にハテナを飛ばした。




 「ねぇ、じゃあ二次会で三人で話そうよ!あたしも二人には聞いてもらいたいことがいっぱいあるからさ!」

 「まぁ、いいけど」

 「私も明日仕事休みだし大丈夫だよ」

 「じゃ、とりあえずあたしは出会いを求めて放浪の旅に出てくるから!二人も同窓会楽しんで!」

 「え、はぁ!?」

 じゃ、と片手を挙げて由希子は嵐の如く去って行ってしまった。



 高校時代から男女問わず友達が多くて、常に集団の輪の中心にいるのが彼女だった。

 だから当初、由希子が付き合っていた彼氏との結婚を決めて、縁もゆかりもない他県に移り住むという話を聞いたとき、ものすごく寂しかったけれど、それでも由希子ならどこにいてもやっていけるだろうという安心感もあった。


 だというのに、いったい何があったんだろう。

 あんなふうに元気な様子だったとはいえ、「離婚」「家出」だなんてビッグワードを笑い話にするにはまだまだ時間が足りていないはず。




 「由希子、変わんないね」

 「和泉にもあれくらいのガッツがないとね。恋しないとか老人ホームとか言ってないで、由希子について行ってみたら?」

 「今その話はNGだから!」

 「それで?あの人とどうなったの?北ヶ瀬夏樹……さんだっけ?」

 由希子がどこかへ飛び去って行って再び二人になったとき、里英はおかわりのお酒を取りながら北ヶ瀬さんの話題を持ち出した。




 「別に普通だよ?あの後も何度か一緒にご飯行ったりしてるし」

 「本当にそれだけ?」

 「あ、当たり前だよ!私達は友達なんだから!」

 「ご飯食べて、喋って、解散?」

 「そうだけど?」

 「……北ヶ瀬さんって人も結構変わり者なの?」

 「そんなことないよ!失礼!」




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