あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。



 私はどうしても、後先のことを考えずにはいられない。

 頭の中で何度も何度もシミュレーションして「本当にこの道でいい?」「間違った方向に進んでいない?」と自分自身に問いかけては、動き始める前に疲弊してしまう。


 私も、相手も、傷ついたり悲しんだりしない最適解をずっと探している。

 それがたまに、とてもしんどくなってしまうときがある。




 「あ、ってか二人はどうなの!?何か変わったことはない!?」

 「あたしは五ヶ月前に出産したくらいかなぁ」

 「咲良ちゃん、だったよね!近いうちに会わせてよ!」

 「いつでもウェルカムですよ。あ、泣いたらうるさいから覚悟してて」

 「子供の泣き声なんて、大の大人の怒鳴り声に比べれば全然平気!……で、和泉は?」

 「わ、私は……」

 「もう一生恋なんてしないらしいよ、和泉は」

 「あ!ちょっと里英!」

 「えぇ!?ちょっと、どういうこと!?」

 「だ、だからさ……その」



 里英の大バカ者。

 キッと睨むと里英は素知らぬ顔をしながら由希子と一緒にメニューを見ている。

 私は仕方なく辻村くんのことと、それから北ヶ瀬さんのことを由希子に話した。



 「ねぇ、その人絶対逃しちゃダメな男だよ!?友達、なんて言ってないで今すぐ結婚しな!?」

 「な、何言ってんの由希子!」

 「いい男ほどすぐに取れていくんだからね!?」

 「わ、私は今の関係がすごく心地いいの!だから今のままでいいの!」

 「あのねぇ、そんな悠長なこと言ってたらいつか絶対後悔する日が来るよ!?」

 「来ない!」

 「……へぇ、言い切るんだ。じゃあその人、あたしに紹介してよ」

 「──え?」





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