あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。
「いやぁ、ごめんけどあたしもなんとなくそんな感じはしてたよ?」
「えぇ!?嘘だ、いつ!?」
「うーん、そうだなぁ。例えば辻村くんとの予定が合わなくなったときとかさ、和泉ってばすごい機嫌良さそうにウチに遊びに来てたりしてたじゃん?」
「そ、そんなこと……」
「あと基本的に和泉って他人に頼らないところがあると思うんだけど、あぁ、辻村くんにも同じなんだなぁって思ってたし、あとはなんとなく窮屈そうだなとか、和泉が不自由そうに見えてたり?そんな感じかなぁ?」
「……」
これまた図星だ。すべて言い当てられてしまった。
ぐうの音も出ないとはまさにこのことで、私は再びギュッと膝を寄せて体操座りのままこれでもかというほど顔を埋めて隠した。
二年付き合った辻村くんとは、高校時代の友人だった。
大学は別々で、社会人になって数年が経ったときにたまたま共通の知り合いを通して再会したことをきっかけに交際へと発展した、よくあるパターンの始まり方だった。
お互いに住んでいる家も数駅分しか離れていない近場だったということもあって、会う回数はそこそこ多かった気がする。
いろんなところへ遊びに行ったし、旅行も行って、週末にはよく時間を合わせてご飯も食べに行っていた。
辻村くんは優しいから基本的に私の意見を優先してくれたし、行ってみたい場所や食べてみたいと言ったものは大抵連れて行ってくれる人でもあった。
だからすべては彼にあんなことを言わせてしまった私に原因がある。
全部、全部、私が悪い。