あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。





 ──最悪だ。

 すっかり油断していた。


 どうやら辻村くんは同窓会には来ていなかったようで安心しきっていたから、まさかこんなところで遭遇するとは思ってもいなかった。



 私がいることを知らない辻村くん達五人グループは、不透明なガラスで仕切られただけの隣の席へ腰掛ける。

 そしてこのお店に行き慣れているのか、彼らはお冷を運んできた店員さんに人数分のドリンクバーと一緒にパスタやグラタンを次々に注文している。




 「(ど、どうしよう……)」

 このままこっそり帰ったほうがいい?

 だけどお会計をするときに絶対にバレてしまう。

 ずっとこのままの体勢でいるのは嫌なんだけど……!



 「ってかさ、なんで辻村は今日同窓会行くのやめたわけ?」

 「ほら、別れたからだろ?同級生だった、えっと、名前……なんだっけ」

 「……和泉、な」

 「そう!バッタリ会わなくていいように気を遣ってあげたんだよなぁ!」

 「別にそんなんじゃないけど」

 「でも元カノと同窓会で鉢合わせは気まずくね?」





 そして案の定、さっそく話題は私のことになっている。

 やっぱり辻村くんは私に気を遣って今日の同窓会に来なかったんだ。





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