あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。





 そして二人は私の腕を引いて、辻村くんと顔が合わないように配慮してくれながら外へ連れ出してくれた。

 寒空の乾いた空気が、頬を伝った涙の跡を一段と冷たくしていく。



 「ごめんね、二人とも」

 「なんで和泉が謝るの?あれはタイミングがよくなかっただけじゃん!」

 「でも向こうの本音も聞けてよかったと思うよ?これで和泉だけが悪くないって分かったんだし」

 「そうだよ!あっちだって元々別れるつもりだったわけだし!和泉もさっさと切り替えて次行こー!あ、なんだったらあたしと一緒に婚活でも始めてみる?」

 「……ううん。私、やっぱり彼氏はいらない」

 「え」

 「は?」



 これではっきりと分かった。

 今の私には、やっぱりこんなふうに近くにいてくれる友達で十分だってことが。



 友達以上の関係にならなければ、友達以上のことを期待することも、されることもない。

 めんどうな駆け引きや感情にもつれることもない。こんなふうに、悲しい気持ちになることもなければ涙を流すこともない。




 「あー、里英さん?和泉さんってば、これはマズイ方向に考えがいっちゃってますね?」

 「和泉って昔からこういうところあるからなぁ」

 「私、やっぱり恋なんてしない」

 駅まで歩きながら、私は改めて自分の考えが間違いではなかったのだと思い知った。





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