あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。






 嬉しそうにニッコリと口角を上げて笑った北ヶ瀬さんは、顔見知りの店長に気軽に声をかけながら椅子に腰掛ける。

 そして味噌バターコーンらーめんを二つ注文して、セルフで注ぐお水を入れて私にそっと手渡した。




 「実はこのお店、味噌バターコーンの〝コーン〟の部分が一番のミソらしいですよ?」

 「ふっ!そこなんですか!?味噌とかバターじゃなくて、コーンなんですね!」

 「……ね、店長?」

 「あぁ、そうです。お嬢さんも食べてみてください、コーンが美味い!ってなりますから」

「アッハハ!楽しみにしてます!」



 屋台のらーめんを食べるのは、もう何年ぶりだろう。

 最後は確か、まだ学生のころだったような気がする。




 「はい、お待ち」

 溢れんばかりのコーンが盛られた味噌バターコーンらーめんが目の前にドンと置かれた。

 熱々の湯気が味噌バターの風味を一緒に連れて私の食欲を掻き立てる。




 「お、美味しそう〜!いただきます!」

 「いただきます」

 北ヶ瀬さんと一緒に手を合わせて、同じタイミングで割り箸を割る。

 太めの麺が濃厚な味噌スープと絡んで、一口啜った瞬間に幸せを感じられた。




 「美味しい……!何これ、味噌バターにハマっちゃいそう!」

 「和泉さんにもこの味を味わってみてほしくて……。気に入ってもらえてよかった」

 「週一で通っちゃいたくなりますね!」



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