あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。
◆第2話:「こんな関係もアリかもしれない」
◆◇◆◇
「高野さ、お前なんか今日雰囲気違くね?」
次の取引先へ向かうまでの空き時間を使って事務作業を終わらせていた私に、同期で同じ営業部の白石がふいに声をかけてきた。
その瞬間、それまで軽快なタイピング音を奏でていた私の手がピタリと止まる。
「は、はい?いや、そんなことないでしょ。別に普通だよ、普通」
「いやいや、流石に分かるわ」
「わ、分かるわけないでしょ?どこも違ってないんだから」
「普段は髪括ってんのに今日は下ろしてる、しかも丁寧に巻いてるだろ?それにメガネじゃなくてコンタクトだし、ネイルもバッチリ。めちゃくちゃ変わってんだろうが」
「うっわぁ……」
「ドン引き、みたいな顔やめろ?」
流石は同期イチのチャラ男、白石誠。
こんな些細な変化にいちいち気が付くなんて、いったい今まで何人の女性をたらし込んできたのだろうか。