あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。






 最後はもう聞き取れないくらいにか細く揺らぐ、私の情けない声。

 いくら北ヶ瀬さんとは何もなかったとはいえ、今、こうして由希子と顔を合わせられずにいるのは、彼女に申し訳ないことをしてしまっているという自覚があるせいだ。




 「はっきりしなよ、和泉」

 「里英……っ」

 「そうだよ!あたし、本当の本当に北ヶ瀬さんを狙っていいのね!?あたしの彼のこと頑張っちゃっていいんだね!?」

 「それは」

 「どっちにしてもさ、もう曖昧にはできないところまできてるんじゃない?」




 里英のその言葉を皮切りに、私は覚悟を決める。




 「由希子には……っ、頑張ってほしくない、かも」

 「……」

 「北ヶ瀬さんのこと、狙ってほしくない……です」


 ギュッと目を瞑って、ギリギリのところで自分の気持ちを言葉に乗せた。

 「(由希子とギクシャクするの、嫌だ……っ)」





 由希子と争いたいわけでも、張り合いたいわけでもない。

 ただ、これ以上二人には誤魔化しちゃいけないと思った。それだけだった。
 








 「──はい、いただきましたー!ねぇ里英、今の和泉の言葉ちゃんと聞いてた!?聞いてたよね!?」
 




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