あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。
私はきっと、あの頃から北ヶ瀬さんのことを意識していた。
なんでもお見通しと言わんばかりの白石は、フッと笑って私の頭をポンポンと撫でた。
「ご、ごめんね白石」
「別になんも悪いことなんかしてないだろ、謝んなって」
「でも」
これから私、白石とどんな関係になっていってしまうんだろう。
変にギクシャクしたり、これまでのように何気ない会話を繰り広げたりすることはもうなくなってしまうのだろうか。
せっかく気持ちを伝えてくれたのに、それを断った私が、前みたいに普通に接してほしいなんて、そんなこと言えない。
でも、わがままを言っていいなら、私はこれからも白石といい関係を保っていきたい。
「はぁー!新年早々振るやつがあるかよ、ったく!」
「ご、ごめんね。でも、どうしても白石の気持ちに不誠実なことだけはしたくなかったの。完全にタイミングはミスっちゃったけど、でも……ごめん」
俯いたまま何も言葉を発せられなくなった私を見て、白石は大きく天を仰ぎながらこれ以上ないほど深いため息を吐き出した。
そして強引に髪をかき上げると、いつもの少し意地悪で、それでいてぶっきらぼうに優しい、いつもの白石の表情がそこにあった。
「高野がそういうクソ真面目で頑固なやつだから、多分惚れたんだよな」
「で、お友達宣言してたはずのその男と、今どうなんだよ。もう付き合ってんのか?」
「なっ!んなわけないでしょ!?」
「なんだよ、高野は本当真面目だな。あんまトロトロやってっとすぐ他の女に持ってかれんぞ」
「やめてよ!今一生懸命今後の方針を考えてる最中なんだから、縁起でもないこといわないで!」
わざとらしく肩をすくめて、重たくなった場の空気を和ませようとしてくれる白石の気遣いに、どうしようもなく視界が滲みそうになる。