あなたに友達以上の関係は望まない(はずだった)。
「今後の方針なら好きな男と一緒に考えてやれよ。好きなやつができた時点で、高野だけでできる選択なんて限られてくんだろ」
「……え?」
「一人で全部抱え込んで完結しようとすんなって言ってんの。高野、仕事でもすぐそうやって一人で背負い込もうとするだろ」
図星を突かれて、私は思わず言葉を詰まらせた。
確かに北ヶ瀬さんに友達以上の感情を抱いていると自覚した今日まで、一人で生きていくんだと意固地になって、勝手に自分の世界に閉じこもろうとしていた。
「恋愛くらい、もっと自由にやっていいんじゃねぇの?」
「……っ、白石」
「ま、それで嫌われたら俺んところ来いよ」
「な、ないから!」
大きな笑い声を挙げながら、これからどう接していいか分からなくなっていた私の不安を、白石はたった数分でいとも簡単に取り払ってしまった。
どこまでも出来すぎた男だと思った。
「ありがとうね、白石。私、頑張ってみるね」
「あぁ。でも高野が俺を振ったこと、後悔させるくらい出世してやるから」
「……うん。でも私も負けないから」
「当然だ。とりあえず今回の大型プロジェクト、意地でも成功させるぞ」
白石はクッと笑って、私の左手と軽く拳を突き合わせた。