おもひで猫列車へようこそ〜後悔を抱えたあなたにサヨナラを〜
プロローグ
──誰しもが、明日はまたやってくると思い込んではいないだろうか?
当たり前の日常が、何の確証もないのにずっと続くような気がしていないだろうか?
少なくとも私は、そう思っていた。
今日も、明日も明後日も平凡でちょっぴり退屈な日々の中にある小さな幸せを感じながら、ずっと繰り返していけると思いあがっていた。
だからあの日以来、私はずっと“後悔”をしている。
もう二度と戻れない過去にしがみついては泣いて、その“後悔”という呪縛から逃れられなくて、どこにも行けずにただ立ち尽くしていた。
──不思議な黒猫、“ヒデさん”に出会うまでは。