夜と最後の夏休み

07.天の川

 七夕祭りの夕方。僕は美海と詩音と河へ向かった。河辺にはたくさんの人が集まっていて僕らもそこに混じって昨日書いた紙を河へ流す。


「佐々木くん!」


 紙の行方を眺めていると突然名前を呼ばれた。振り返ると田崎さんと、少し後ろにニャンタカがいた。


「ニャンタカ! 宿題! 自分でやってる?」


 僕は慌ただしくニャンタカの方へ走る。ニャンタカは呆れた顔で、


「お前……」


 なんて言った。けど無理だ。


「無理」

「ひどいやつだ」


 僕はニャンタカの背中を押して、その場から離れた。



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