ユーレイくんとの恋はあぶない秘密が多すぎる
第2話 恋人と異変
○朝礼前・教室
奈乃花「つ、付き合うことになった~~~!? ユーレイくんと!?」
結歌「ちょ、声が大きいよ!」
驚愕の表情の奈乃花の口を慌てて塞ぐ。声のトーンを落として会話が進む。
奈乃花「……何か弱みでも握られた?」
嶺「ひどい言われよう~笑」
にゅっと現れた嶺(もっさりver)に驚く二人。
奈乃花「ユ、ユーレイくん! これは……ごめん。でもだってびっくりするよ! 今まで恋愛に興味持たなかった結歌が、編入したばかりの人とだもん!」
嶺「結歌ちゃんはオレの魅力に気がついちゃったみたいだからねぇ」
奈乃花「ええ……」
うさん臭いと思っている奈乃花と笑っている嶺をしり目に、曖昧な笑みになる結歌。
結歌(彼氏彼女の発言は驚いたけど……)
モノローグ:あれにはちゃんとした理由があった。
モノローグ:あたしの悩みの種である黒いモヤは弱い幽霊的なサムシングで、そう言う存在は負のエネルギーでできているため生のエネルギーに弱いらしい。生のエネルギーは「嬉しい」とか「楽しい」とか、そういう活力が沸く感情のことらしく、手っ取り早く増やせるのが恋愛なのだとか。
結歌(普段からそう言う感情を増やした方がいいからずっとそばにいられる関係……つまり恋人関係になったけど……。でも本当によかったのかなぁ?)
モノローグ:あたし達の間には恋愛感情はない。幽日野くんは人助けのために付き合ってくれた訳で……。
結歌(あたしの歌が聞けるからいいって言われても、やっぱり幽日野くんの自由を奪っているみたいで申し訳ないよ……)
難しい顔で唸っていると、急に頭をポンっと軽く撫でられる。
嶺「あ、オレ先生に呼ばれてるんだった。ちょっと行ってくるね。それじゃ、また後で」
奈乃花「う、うわ~!? ユーレイくんあんなことさらっとしちゃって! 結歌、大丈夫!? ……あ、ダメそう」
ニヤニヤした奈乃花が結歌を振り返ると、結歌は赤面したまま固まっていた。
奈乃花「あちゃ~。結歌、男に免疫ないからな~」
ふしゅーと湯気をだして突っ伏す結歌に苦笑いを零す奈乃花。
結歌(こ、これ心臓持つかな!?)
モノローグ:やっぱりあたしには早すぎた……気がする。