私が好きになったのはどっちなの?
「いえ、そういんじゃないですから」
 ブンブンと首を振って否定すると、麻里さんがクスッと笑った。
「どこでも好きな席座って。なにか適当に作るわね」
 麻里さんの言葉に頷いて、金髪医師にいつものテーブルを指差す。
「あそこのテーブルにどうぞ」
 テーブルに着くと、金髪医師が頬を緩めた。
「雰囲気がいい店だね」
 向き合って座っているものだから、圧がすごい。
 早く麻里さん厨房から出てこないかな。
「蓮先生御用達のお店です。先程の女性は蓮先生の叔母さんで」
「へえ、そうだんだ。そういえば、名乗ってなかったね。俺はルカ・ブラント。俺のことはルカでいいよ。蓮の元同僚で、あいつがドイツにいた時、ルームメイトだった」
 やはり蓮先生とは親しそう。
 それにしても、イケメンの周りにはイケメンしかいないのだろうか。
「そうですか。蓮先生と仲がいいんですね」
「仲がいいのとは違うかな」
 この流れで否定され戸惑ってしまう。
「え? そうなんですか?」
「蓮は俺のライバルだよ」

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