私が好きになったのはどっちなの?
「……はあ」
 ルカ先生の話に気のない返事をする。
 正直言って私にはなんの関係もない話だ。
「君は名前なんて言うの?」
 ああ、そういえば名乗ってなかった。
「私は水森花梨と言います。脳神経外科の看護師で」
 ルカ先生が名乗ったので私も自己紹介すると、彼がジーッと私を見てなにかを待っている。
 キョトンと首を傾げたら、物足りなそうな顔で言われた。
「それだけ? 蓮の恋人じゃないの?」
またか。どうしてみんな勘違いするんだろう。
「いえいえ。違いますよ。こんな子供を蓮先生が相手にするわけないじゃないですか」
 ハハッと乾いた笑いを浮かべれば、ルカ先生が楽しげに目を光らせる。
「ふーん、そうなんだ?」
 なんなの、この先生。なんか苦手だ。
 男性も苦手だし、早く帰りたい。
「でもさあ、今日あいつの腕で仲良く注射の練習してたでしょう? あの蓮が自分の大事な腕でやらせるなんて考えられないんだよね。しかも、蓮は女嫌いだし」
は? 今、女嫌いって言った?
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