私が好きになったのはどっちなの?
 ドイツ語で言われ、なんだかイライラした。
 日本語だって俺が教えて話せるのに、人に聞かせたくないのかわざとドイツ語を使う。
「あ~、蓮くん来た。ごめんね。ちょっとだけならお酒大丈夫かと思ったんだけど、花梨ちゃん酔っちゃって」
 ルカのそばにいる麻里さんが俺を見て手を合わせて謝るが、そんな彼女には目を向けず、ルカを見据えドイツ語で問い詰める。
「お前、どういうつもりだ?」
 麻里さんはドイツ語を話せないから、俺も内容を知られない方がいいと思った。
「お前が彼女のこと教えてくれないから直接聞いたんだけど」
 茶化すように言う彼を睨みつけてはっきりと言う。
「彼女はお前が相手にするような女性じゃない」
「蓮らしくない。なにを熱くなってるのかな? 女なんて所詮みんな一緒だよ」
「彼女は違う」
 強く否定すれば、ルカの目が意地悪く光った。
「じゃあ、俺が証明しようか? 俺が帰国するまでに彼女がコロッと俺に落ちたら、俺の勝ちだって」
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