私が好きになったのはどっちなの?
「くだらない。彼女は樹が好きなんだよ。お前が誘惑したところで無駄だ」
「へえ、お前の女じゃないんだ?」
 楽しげに笑って聞き返すルカに小さく頷く。
「ああ。だから手を出しても無駄だ」
 壁に寄りかかって寝ている花梨ちゃんの肩を揺する。
「花梨ちゃん、起きて」
「……やだ。ここで寝る」
 目を閉じたまま彼女が拒否する。
「ダメだよ。ほら帰ろう」
 花梨ちゃんの腕を俺の肩にかけ、彼女を立たせる。
「蓮くん、タクシー呼んでおいたわ」
 麻里さんが気を利かせてくれて、「ありがとうございます」と礼を言って店を出る。
「俺も手伝うよ」
 ルカが手を貸そうとしたが、冷たく断る。
「いらない」
「独占欲が強いな。好きだから他の男に触れられたくないんじゃないのか?」
 おもしろそうにルカが問いかけてきたけど無視した。
 花梨ちゃんを店の前に停まっていたタクシーに乗せるが、また目を瞑ってしまう。
「花梨ちゃん、寮の部屋は何号室?」
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