私が好きになったのはどっちなの?
「ルカ先生がまた近づいてきたら?」
「俺も気をつけるけど、また麻里さんの店に行くのが無難かな。いざとなったら俺が駆けつけられるから」
「なんか……迷惑かけちゃってすみません」
 これ以上蓮先生に迷惑はかけたくない。
「花梨ちゃんが悪いんじゃない。それに迷惑なんかじゃないよ」
 蓮先生が私の頭をポンとしながら、優しく微笑む。
 ああ、この笑顔だ。
 昔、私を救急で治療してくれたのは蓮先生。
 そして、私が好きなのも今目の前にいる彼――。
 病院に着いて医局の前で、「じゃあ」と蓮先生が言って別れる。
 それからひとり脳神経外科に向かい、優希くんの病室に入った。
「おはよう、優希くん。今日はよく眠れた?」
 元気よく声をかけるけど、今日も反応がない。
「優希くん、私って馬鹿なの。いままで樹先生が好きだと思ってた。でもね、ずっと憧れていた人は実は蓮先生だったの。今更蓮先生のことが好きだったなんて言えないよ」
 言ったら呆れるに違いないし、所詮その程度の恋だって思われる。
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