私が好きになったのはどっちなの?
「まあね」
 ……蓮先生、私を気にしてドイツに行かないの?
 もし私がいなかったら、迷わずドイツに行ってた?
 病院の御曹司だけど、樹先生だっているし、院長も今バリバリ仕事をしてるもんね。
 蓮先生がいなくなったら、寂しくなるな……。


「ほら、花梨ちゃん、靴脱げる?」
 蓮先生に言われて、ボーッとした頭で返事をする。
「あい、脱げます」
 靴を脱いで玄関を上がると、「じゃあ、こっち」と蓮先生に抱きかかえられて寝室に運ばれる。
 寝室といっても蓮先生の家の寝室だ。
 ベッドに座らされ、部屋着を渡される。
「これに着替えて。ひとりでできる?」
「うん」と頷いて着替え始めると、先生がジャケットを脱いで寝室を出ていく。
 これで先生の部屋着を着るのは三回目。
 先生の部屋着は大きくて私にはぶかぶか。
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