私が好きになったのはどっちなの?
「そうだよ。頭を打ったから病院に運ばれてきたんだ。気持ち悪いとかもない?」
「うん。……青山先生は僕の先生なの?」
 優希くんが俺の胸のネームプレートを見て確認してくる。視力も問題なさそうだ。
「そうだよ。蓮先生と呼んでくれたら嬉しいな」
「うん。僕、どれくらい眠ってたの?」
「約一週間だよ」
「ええー、そんなに?」
少し掠れた声をあげて驚く彼に、小さく頷いた。
「そう。だからみんな心配してたんだ」
「僕、いっぱい夢を見たんだ。学校行って宿題して、パパとママとご飯食べて……。それに――」
優希くんが興奮気味に話をしていると、花梨ちゃんが水を持って戻ってきた。
「じゃあ、お水飲もうか」
花梨ちゃんと目を合わせると、彼女がベッドを起こして優希くんに水を飲ませる。
「一週間くらい寝てたもんね。そりゃあ喉渇くよね」
「うん、でも花梨ちゃんの声と蓮先生の声は聞こえてた」
俺が優希くんが親しみやすいよう花梨ちゃんを下の名前で呼んだせいか、彼も「花梨ちゃん」と呼ぶ。
< 195 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop