私が好きになったのはどっちなの?
「……うん」
花梨ちゃんが優希くんの言葉に相槌を打つが、その目には大粒の涙が浮かんでいた。それを見て優希くんが首を傾げて心配そうに問いかける。
「花梨ちゃん、なんで泣いてるの?」
「嬉しくって……」
泣くのを堪えながら彼女がなんとかそれだけ言葉にする。
花梨ちゃんは優希くんの担当だし、感極まってしまったのだろう。しばらく泣きそうだな。一度心を落ち着かせた方がいいだろう。
「花梨ちゃん、ご家族に連絡してあげて」
俺の指示に彼女は返事をするのが難しかったのか、コクンと頷いて病室を後にする。
「ごめんね。花梨ちゃん、優希くんが目覚めたのが本当に嬉しかったんだ」
「うん、あのお姉ちゃん、僕にいっぱいお話してくれたんだ。今日も点滴失敗したとか。樹先生に挨拶できたとか。あと蓮先生の家にお泊りしちゃったとか。他にも恋のお話とかいっぱいしてた。でも、僕、花梨ちゃんの顔は知らなかったから、ずっと会いたいなって思ってたんだ」
……ある意味彼の病室は花梨ちゃんの告解室だな。
< 196 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop