私が好きになったのはどっちなの?
 今回はまだなんとか意識があって、彼女が「うん」と頷く。
 一応返事をしたので一旦寝室を出て、水を取りにいった。
 俺がいない間に寝てしまう可能性もあるが、やはり俺がいては着替えにくいだろう。
 キッチンの冷蔵庫からペットボトルの水を取って寝室に戻り、ドアをノックする。
「は、はい」
 慌てたような声だがとりあえず返事が聞こえてホッとした。
 部屋に入り、彼女にペットボトルの水を手渡す。
「これ飲んでおいた方がいい」
 花梨ちゃんが受け取った水を飲むと、彼女の顔を見つめて尋ねる。
「目、覚めた?」
「はい。すみません。またご迷惑をおかけしちゃって」
 申し訳ないと思っているのか、彼女が伏し目がちに謝ってくる。
「本当は樹を呼んで連れ帰ってもらおうと思ったけど、今日は夜勤でね」
 彼女の心が樹にあることを忘れないために、あえて樹の名前を出す。
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