私が好きになったのはどっちなの?
「これでいいだろ?」
 心の動揺を隠して軽い調子で言うと、彼女は俺をじっとりと見て文句を言う。
「……全然よくない。もっとちゃんとしてください」
 まさかダメ出しされるとは思わなかった。
 目を見開く俺の腕を掴んで再度キスを要求する彼女。
 これはなんの拷問なのだろう。俺になにをさせたいんだ?
「……もうどうなっても知らないからな」
 ハーッと溜め息をついて、彼女に目を向ける。
 さっきは理性を総動員して俺の欲望を押さえていた。
 だが、二度目はもう自信がない。
 好きだから、触れてしまえば自分をコントロールできなくなる。
 俺のトリガーを引いたのは彼女だ。
 多分、この時の俺は引かない彼女に怒っていたんだと思う。
 花梨ちゃんの頭に手をやり、獲物を狙う野獣のようにその赤く色づいた唇を奪う。
 その瞬間、完全に理性が崩壊した。
 柔らかな唇を自分だけのものにしたい。
 そんな独占欲に駆られ、彼女の唇を貪る。
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